赤くて小さくて、甘酸っぱくてかわいらしい果物「さくらんぼ」。その見た目と味わいから、果物の中でも特に人気の高い存在です。しかし、さくらんぼには見た目や味だけでは語り尽くせない、ちょっと不思議で興味深い雑学がたくさん詰まっています。この記事では、さくらんぼにまつわる面白い豆知識をたっぷりとご紹介します。
日本のさくらんぼの約7割は山形県産
日本で出回っているさくらんぼのうち、およそ7割は山形県で生産されています。特に有名なのが「佐藤錦(さとうにしき)」という品種で、甘みと酸味のバランスが絶妙なことから“さくらんぼの王様”とも呼ばれています。毎年6月頃になると、山形ではさくらんぼ狩りの観光シーズンが始まり、全国から多くの人が訪れます。
実はバラ科!さくらんぼの意外な分類
さくらんぼは見た目からベリー類のように思われがちですが、実は「バラ科サクラ属」の果実です。そう、桜の仲間なのです。桜の木に実がなると聞くと驚くかもしれませんが、観賞用の桜とは別に「セイヨウミザクラ」や「スミミザクラ」など、果実を目的とした品種が存在します。ちなみに、観賞用の桜にも実はなりますが、小さくて渋く、食用には向いていません。
さくらんぼの種飛ばし大会が存在する
さくらんぼの楽しみ方としてちょっと変わったイベントがあります。それが「種飛ばし大会」。山形県東根市では、毎年「さくらんぼの種飛ばし大会」が開催されており、口に含んだ種をどれだけ遠くに飛ばせるかを競います。過去にはなんと15メートル以上飛ばした記録もあるとか。さくらんぼ愛が詰まったユニークな催しです。
旬の時期がとても短い果物
さくらんぼは非常にデリケートな果物で、収穫から出荷、消費までのスピードがとても大切です。そのため、一般に市場に出回るのは5月下旬〜7月初旬のわずか1か月半ほど。まさに“旬が命”の果物です。その短さも、さくらんぼが「初夏の風物詩」として特別感を放っている理由のひとつです。
英語ではチェリーと呼ばれるけれど…
英語でさくらんぼは「cherry(チェリー)」と呼ばれます。ただし、チェリーとひと口に言っても、品種や分類によって味わいや用途が異なります。たとえば、甘味の強い「スイートチェリー」は生食用、酸味の強い「サワーチェリー」はジャムやパイに使われます。日本で出回っているさくらんぼのほとんどはスイートチェリーに分類されます。
さくらんぼの茎にはうれしい効能も
さくらんぼの茎(へた)には利尿作用があるとされ、ヨーロッパでは古くからハーブティーや民間薬として使われてきました。日本ではあまりなじみがありませんが、実は茎にも健康パワーが秘められているのです。さくらんぼを食べたあとは、茎を捨てる前にちょっと調べてみてもいいかもしれません。
お弁当の彩りにもぴったりな“見た目の魔法”
さくらんぼはその色合いと形から、料理の彩りとしても人気があります。特にお弁当やデザートのトッピングとして使うと、全体の印象が一気に華やかになります。昔から日本では“見た目の美しさ”を大切にする文化がありますが、さくらんぼはその美的感覚にもぴったりフィットする存在です。
品種のバリエーションは実はとても多い
日本で有名なのは「佐藤錦」や「紅秀峰」などですが、世界的に見るとさくらんぼの品種はなんと1000種類以上あるとされています。甘みの強さ、実の大きさ、酸味、色合いなど、微妙な違いによってさまざまな特徴を持つさくらんぼが世界中で栽培されています。新しい品種の開発も進んでおり、今後もさらにバリエーションが増えていくと予想されています。
おわりに
かわいらしい見た目と甘酸っぱい味わいで人気のさくらんぼには、思っている以上に奥深い雑学や秘密が隠されています。日本の風土や文化、そして世界の食卓でも愛されているその理由を知ると、ますます好きになる果物ではないでしょうか?
短い旬を逃さず、ぜひ今年もさくらんぼを楽しんでみてください。