春になるとスーパーの野菜売り場に並ぶ緑の豆たち。「さやえんどう」「えんどう豆」「スナップえんどう」、どれも似ているけれど、実はそれぞれに特徴があるのをご存じですか?
この記事では、同じ「えんどう豆」から育つ3つの種類について、見た目・味・調理法・栄養などの違いをわかりやすくご紹介します。食卓での使い分けにきっと役立つはずです。
すべては「えんどう豆」から生まれる
さやえんどう、えんどう豆、スナップえんどうは、実はすべて同じ植物「えんどう(エンドウ)」から収穫されます。違いは「いつ収穫するか」「品種がどう改良されているか」にあります。
言い換えれば、「兄弟みたいな存在」です。それぞれに個性があるので、成長段階とともに見ていきましょう。
さやえんどうは未熟なうちに収穫する優等生

さやえんどうは、エンドウの実がまだ小さいうちに収穫されたものです。やわらかくて薄いさやが特徴で、豆はほとんど目立ちません。
特徴
- 平たくてやわらかいさや
- さやごと食べられる
- 豆はまだ発達していない状態
調理法
炒め物や味噌汁の具、ちらし寿司の彩りなど、さっと火を通すだけでおいしく食べられます。シャキっとした歯ごたえと、爽やかな風味が魅力です。
えんどう豆は豆を楽しむ王道タイプ

えんどう豆は、さやの中の豆がしっかり育ってから収穫されるタイプ。いわゆる「グリーンピース」と呼ばれることもあります。さやは硬くなっているため、豆だけを取り出して使います。
特徴
- 丸くてぷっくりした豆
- さやは食べずに中の豆だけ使用
- やさしい甘みとホクホク感
調理法
豆ごはん、煮物、スープ、卵とじなどにぴったり。独特の香りがあり、苦手な人もいるかもしれませんが、新鮮なものを使えばまったく気になりません。
スナップえんどうは進化系の万能選手

スナップえんどうはアメリカで品種改良された「えんどう豆の進化系」。豆もさやもどちらも厚みがあって甘みがあり、両方を美味しく食べられるのが魅力です。
特徴
- さやも豆もしっかりした肉厚タイプ
- シャキっとした食感と甘みが抜群
- 別名「スナックえんどう」とも
調理法
塩ゆでしてサラダに、ベーコンと炒めておつまみに、天ぷらにしても美味。万能で使いやすく、お弁当にもぴったりの一品です。
見た目と特徴の比較表
名前 | 見た目 | 食べる部分 | 食感 | 調理法 |
---|---|---|---|---|
さやえんどう | 平たくて薄い | さやごと | シャキシャキ | 炒め物・汁物・彩り |
えんどう豆 | さやが硬く豆は丸く大きい | 中の豆だけ | ホクホク | 豆ごはん・煮物・卵とじ |
スナップえんどう | さやも豆も肉厚で丸みあり | さやごと | シャキ+甘み | サラダ・炒め物・天ぷらなど |
栄養価もばっちり!豆類のうれしいパワー
3つとも共通して、食物繊維、ビタミンC、カロテン、たんぱく質などが豊富に含まれています。疲労回復や美容にも嬉しい成分が詰まっており、春の体調を整えるのにぴったりの食材です。
特にスナップえんどうは甘みが強く、お子様にも人気があります。旬の春には新鮮なものが多く出回るので、積極的に取り入れてみましょう。
同じ豆でもここまで違う!うまく使い分けて食卓を彩ろう
さやえんどう・えんどう豆・スナップえんどうは、同じ「えんどう豆」から育つ仲間ですが、それぞれの魅力や使い方は大きく違います。
料理や気分に合わせて選べば、レパートリーも広がって、毎日の食事がもっと楽しくなります。今が旬のこの時期、ぜひそれぞれの豆を味わってみてくださいね。