寿司屋で見かける人気ネタ「えんがわ」。独特の食感と旨味で、多くの人に愛されている存在ですが、実はその正体や名前の由来、使われる魚の種類など、意外と知られていない雑学がたくさんあります。この記事では、えんがわに関する面白い雑学をたっぷりとご紹介します。えんがわ好きの方はもちろん、寿司に興味のある方にも楽しんでいただける内容です。
えんがわは「魚の縁側」ではなかった?
「えんがわ」と聞いて、日本家屋の縁側を思い浮かべたことはありませんか?実は、この寿司ネタの「えんがわ」という名前も、そこに由来しているのです。
魚の身体の側面、ヒレの付け根の筋肉部分がえんがわと呼ばれており、その位置が日本家屋の縁側と似ていることから名付けられたと言われています。つまり、「魚の縁側のような場所」=「えんがわ」というわけです。
魚のパーツにしては、ずいぶん風情のあるネーミングですね。
えんがわに使われる魚は実はヒラメとは限らない
「えんがわ」と聞いて、すぐに「ヒラメのえんがわ」を思い浮かべる方も多いかもしれません。実際、高級寿司店などではヒラメのえんがわが使われることもあります。
しかし、一般的な回転寿司などで提供されているえんがわの多くは、実は「カレイ」や「オヒョウ」という魚のものです。ヒラメは高価な魚なので、よりリーズナブルな代替品としてこれらが使用されることが多いのです。
ちなみに、オヒョウは非常に大きく成長するため、1匹から多くのえんがわを取ることができるというメリットもあります。
歯ごたえの秘密はコラーゲンと筋肉の構造にあり
えんがわ特有のコリコリした食感には理由があります。これは、ヒレの付け根部分にある筋肉がよく動くため、他の部位に比べて繊維が発達しているからです。
また、えんがわにはコラーゲンが豊富に含まれているため、独特の弾力とぷるぷる感が感じられるのです。噛むほどに味が染み出すのも、えんがわの魅力のひとつですね。
意外と知られていない「炙りえんがわ」の誕生秘話
「炙りえんがわ」がメニューに並ぶようになったのは比較的最近のことです。もともと脂の多い部位であるえんがわは、炙ることで脂が溶けて香ばしさが増し、さらに旨味が引き立ちます。
この食べ方が広まった背景には、えんがわの脂分が苦手な人にも受け入れられるように工夫された、という説もあります。今では、えんがわ=炙り、というイメージを持つ人もいるほど人気のスタイルになっています。
えんがわは高たんぱくで低糖質なヘルシー食材
えんがわは脂が多く見えますが、実は高たんぱく・低糖質という面もあり、ダイエット中の人にもおすすめできる食材です。
また、先ほども触れたようにコラーゲンも豊富に含まれており、美容面でも注目されています。ただし、カロリーはやや高めなので、食べすぎには注意が必要です。
寿司以外にも活躍するえんがわの魅力
えんがわは寿司だけでなく、カルパッチョやソテーなど、洋風料理にもよく合います。特にオリーブオイルやレモンとの相性が抜群で、シンプルに塩と胡椒だけで味付けするだけでも極上の一品になります。
家庭用にも冷凍のえんがわが流通しており、解凍するだけでさまざまな料理に活用できます。脂がしっかり乗っているため、加熱しても旨味が逃げにくいのもポイントです。
日本だけじゃない!海外でも人気のえんがわ
えんがわは日本だけでなく、海外でも人気のネタとなっています。特にアメリカやカナダでは「Engawa」という名前で提供されることもあり、SUSHIブームの中で高評価を得ています。
現地では炙りスタイルが好まれることが多く、香ばしさと脂の旨味が口に広がることで、リピーターになる人も続出しているようです。まさに日本が誇る隠れた寿司ネタと言えるでしょう。
えんがわが取れる部位は実はごくわずか
えんがわが貴重とされる理由のひとつが、取れる量の少なさです。1匹の魚から取れるえんがわの量はごくわずかで、大体数切れ分しか確保できません。
だからこそ、えんがわは特別なネタとして扱われてきました。大量生産が難しい部位だからこそ、価値が高まり、美味しさもひときわ引き立つのです。
まとめ
えんがわは、見た目こそ地味な存在かもしれませんが、その名前の由来から、魚の種類、食感の秘密、炙りスタイルの誕生秘話、栄養価まで、奥深い魅力に満ちた寿司ネタです。日常的に食べる機会があるからこそ、その背景を知ることで、より一層味わい深く感じられることでしょう。
寿司屋に行った際には、ぜひ「えんがわ」の雑学を思い出してみてください。ひと口食べるたびに、これまで以上にその美味しさを実感できるかもしれません。

