美容や健康、さらにはグルメの世界でも欠かせない存在となっている「オリーブオイル」。地中海料理に欠かせないだけでなく、近年は日本の家庭でもその人気は急上昇中です。しかし、オリーブオイルの魅力は「美味しい」「健康に良い」だけではありません。今回は、オリーブオイルに関するちょっと意外で面白い雑学をたっぷりご紹介します。読めば読むほど、オリーブオイルの奥深さに驚かされること間違いなしです。
オリーブオイルは「液体の金」と呼ばれていた
オリーブオイルは古代ギリシャやローマ時代から貴重なものとされ、「液体の金(リキッド・ゴールド)」という異名で呼ばれていました。それだけでなく、単なる調味料としてだけでなく、宗教儀式、薬、美容、さらには灯りを灯す油としても活用されていたのです。金と同等の価値を持つオイルとして扱われていたことからも、その万能性と価値の高さがうかがえます。
オリーブの木は2000年以上生きることがある
オリーブオイルの原料となるオリーブの木は、非常に寿命が長いことで知られています。特に地中海沿岸には、2000年以上も生き続けているとされる木が今でも存在しており、実際に今もオリーブの実をつけているのです。この驚異の生命力こそが、オリーブの持つ栄養やパワーの源かもしれません。
オリーブオイルはワインと同じく“テロワール”が重要
「テロワール」とは、ワインの世界でよく使われる言葉で、土壌や気候、標高などの環境要因がその味に影響を与えるという考え方です。実はオリーブオイルにもこのテロワールの概念が当てはまります。同じ品種のオリーブでも育つ地域によって味や香りが大きく異なり、辛味や苦味の強さ、フルーティーさにも違いが出るのです。まるでワインを楽しむように、オリーブオイルを産地別に味わうのも一つの楽しみ方です。
エキストラバージンオリーブオイルは“ジュース”だった
エキストラバージンオリーブオイルとは、添加物や熱処理を一切加えずに圧搾された、いわば「オリーブの果汁」のような存在です。驚くべきことに、このオイルの抽出方法はフルーツジュースと非常によく似ており、潰して絞っただけの100%天然の液体なのです。そのため、鮮度や保存状態によって風味が変わりやすく、まさに生きているオイルとも言えます。
オリーブオイルの風味には「辛味」や「苦味」があってよい
「オリーブオイルはまろやかでなければならない」と思われがちですが、実は新鮮なエキストラバージンオリーブオイルにはピリッとした辛味や、独特の苦味があるのが特徴です。これらはポリフェノールや抗酸化物質が豊富である証拠であり、むしろ健康的で高品質なオイルほど強く感じられることがあります。味の個性を楽しむのも、オリーブオイルの醍醐味です。
オリーブオイルは温度で味が変わる
オリーブオイルは温度の影響を非常に受けやすく、温度によって風味が変わります。一般的に20℃前後が最も香りが立ちやすいとされており、低温すぎると香りが立たず、高温すぎると酸化しやすくなります。炒め物に使う場合も、熱しすぎないのがポイントです。サラダやパンにかける場合は、常温のまま使用することで本来の風味を最大限に楽しめます。
オリーブオイルはダイエットや美容にも効果的
オリーブオイルは「太る油」とは真逆の存在です。オレイン酸が豊富に含まれており、腸の働きを整えて便秘を解消したり、血中の悪玉コレステロールを減らす効果があります。また、抗酸化成分のビタミンEやポリフェノールも多く含まれており、アンチエイジングや美肌にも嬉しい効果があるとされています。
加熱しても栄養価は意外と保たれる
「オリーブオイルは生でしか使えない」と思っている方も多いかもしれませんが、実は加熱調理でも比較的栄養価が保たれる優秀な油です。特にエキストラバージンオリーブオイルは200℃前後まで耐えられると言われており、炒め物やグリルにも安心して使えます。むしろ他の油よりも酸化しにくく、調理中に健康成分が壊れにくいのが特徴です。
オリーブオイルの保存は「光と酸素」が大敵
オリーブオイルの品質を保つには、保存方法も非常に重要です。最大の敵は「光」と「酸素」であり、これらに触れることで酸化が進み、風味が落ちてしまいます。購入する際は遮光瓶に入ったものを選び、開封後は冷暗所でしっかり栓を閉めて保管しましょう。使い切る目安は開封後2ヶ月〜3ヶ月以内が理想です。
世界一高価なオリーブオイルは1リットル数万円以上
市場には数百円で買えるものから数万円するオリーブオイルまでさまざまありますが、中でも高級品として知られるのが「ノヴェッロ(新物)」や、希少品種を使った限定生産のオイルです。中には金粉を配合した“見た目もゴージャス”なオイルも存在します。まさに宝石のような存在ですね。
日本でもオリーブオイルの生産が始まっている
実は日本でもオリーブの栽培は始まっており、特に香川県の小豆島は国内オリーブの一大産地として有名です。国産オリーブオイルはまだまだ生産量が少ないため、希少価値が高く、フレッシュでまろやかな風味が特徴です。日本の風土で育ったオリーブオイルも、今後ますます注目されていくでしょう。
オリーブオイルの雑学を知って、日々の食事をもっと楽しもう
オリーブオイルはただの調味料ではなく、長い歴史と豊かな文化、そして健康や美容にもうれしい効果をもたらしてくれる万能な存在です。今回ご紹介した雑学を知ることで、オリーブオイルの魅力をより深く感じていただけたのではないでしょうか。
毎日の食卓に取り入れながら、産地や品種、味わいの違いを楽しんだり、自分好みの一本を見つけたりするのも素敵な楽しみ方です。これからもオリーブオイルとの素敵な付き合いを続けていきましょう。
