ハンバーグやオムライス、ポテトフライなどに欠かせない調味料といえば、ケチャップですよね。子どもから大人まで幅広く親しまれているケチャップですが、実はその歴史や成分、使われ方には意外な一面がたくさんあります。この記事では、ケチャップに関する面白い雑学をたっぷりご紹介します。普段何気なく使っているケチャップが、もっと面白く見えてくるかもしれません。
ケチャップのルーツはトマトじゃなかった?
現在のケチャップといえばトマトが原材料として当たり前ですが、もともとのケチャップにはトマトが使われていませんでした。初期のケチャップは、中国の魚醤(発酵した魚を使った調味料)を元にしており、17世紀にヨーロッパに伝わった際には、キノコやクルミ、アンチョビなどを使ったバージョンが一般的でした。トマトが主流になったのは19世紀に入ってからのことです。
ケチャップはかつて薬として売られていた
1830年代のアメリカでは、トマトが健康に良いとされていたことから、ケチャップは“トマトピル”という名前で薬として販売されていたことがあります。消化不良や下痢などに効くとして宣伝されており、錠剤状に加工されて薬局で販売されていたそうです。今では信じられませんが、当時は本気で「ケチャップ=健康食品」という考え方があったのです。
ケチャップは粘性が強くてボトルから出にくい理由がある
ガラス瓶に入ったケチャップを逆さにしても、なかなか出てこない経験をしたことはありませんか?これは、ケチャップが「非ニュートン流体」という性質を持っているからです。非ニュートン流体は、力を加えると流れ方が変化する特徴があり、じわじわと圧力をかけないとうまく流れてくれません。ちなみに、ケチャップの理想的な流れる速度は「時速約4.8センチ」とされています。
アメリカでは“野菜”として扱われたことがある
学校給食の栄養基準を満たすため、1980年代にアメリカ政府が「ケチャップを野菜としてカウントする」という提案をしたことがあります。これは多くの国民から批判を受けて撤回されましたが、トマト由来という理由から本気で検討されていたという事実は、今でも語り草になっています。
ケチャップには防腐剤が入っていないのに腐りにくい理由
市販のケチャップには、基本的に合成の防腐剤が使われていないことが多いです。それでも長期間保存が可能なのは、ケチャップに含まれる酢や砂糖、塩のバランスによるものです。これらの成分は微生物の繁殖を防ぐ働きを持っており、自然な形で保存性が高くなっているのです。
ケチャップは掃除や金属の研磨にも使える万能アイテム
ケチャップは意外な使い道として、掃除や研磨にも活躍します。特に銅や真鍮などの金属を磨く際、ケチャップに含まれる酸が汚れを浮かせて落とす効果があります。布にケチャップをつけてこするだけで、ピカピカに輝きを取り戻すことができるのです。食品がクリーナーとしても使えるというのは驚きですよね。
日本のケチャップと海外のケチャップは少し違う
日本のケチャップは、やや甘めでマイルドな味わいが特徴です。これは、日本人の味覚に合わせて、砂糖や玉ねぎなどの甘味成分が多く使われているからです。一方、アメリカのケチャップは酸味が強く、スパイシーな仕上がりのものも多く存在します。国によって味の違いがあるのも、ケチャップの面白いポイントのひとつです。
世界最大のケチャップメーカーはHeinz社
ケチャップといえば「ハインツ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ハインツ社は1876年に世界で初めてトマトケチャップを瓶詰め商品として販売した会社であり、今でもケチャップ業界のトップブランドとして君臨しています。独自のレシピやボトルの形なども、長年愛され続ける理由の一つです。
まとめ ケチャップは調味料以上の奥深い存在です
普段は料理にさっとかけるだけのケチャップですが、その歴史や性質には多くの面白い雑学が隠れています。薬として使われていた過去、科学的な粘性の特徴、さらには掃除にまで使えるという万能さなど、ケチャップはまさに“知るほどに奥深い”存在です。この記事を読んだあと、ケチャップを見る目が少し変わるかもしれませんね。日常の何気ない調味料にも、たくさんの発見があることを、ぜひ覚えておいてください。