小さな体にたくさんの栄養を詰め込んだ「しらす」。ご飯のお供としてはもちろん、パスタやサラダ、ピザなどにも活躍する万能食材です。そんな身近なしらすには、実は意外な雑学や豆知識がたくさん隠れているのをご存じでしょうか?この記事では、しらすの知られざる魅力をたっぷりとご紹介していきます。ぜひ最後までお楽しみください。
しらすとはどんな魚?実は「しらす」という魚はいない
「しらす」と聞くと一つの魚の名前だと思われがちですが、実は「しらす」という名前の魚は存在しません。しらすとは、カタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシ、ニシン、アユなどの稚魚の総称です。つまり「しらす=赤ちゃん魚」なのです。これらの魚の赤ちゃんを塩ゆでして干したものが、私たちの食卓に並ぶ「しらす干し」として知られています。
ちなみに、しらすの成長段階によって呼び名も変化します。生の状態は「生しらす」、釜茹でしただけのものは「釜揚げしらす」、さらに乾燥させたものは「しらす干し」や「ちりめんじゃこ」と呼ばれます。このように、加工度によって呼び名が変わるのも面白いポイントです。
しらすの目はなぜ黒い?その理由は「色素の保存」
しらすの特徴といえば、透明な体に黒い目が目立つところです。なぜ目だけが黒いまま残っているのでしょうか?その理由は、しらすの体の多くが加熱や乾燥で色が抜けていく一方で、目の部分には色素が残りやすいためです。
実は、魚の目の色素はメラニン色素という耐熱性の高い成分で構成されています。これが茹でても乾燥させても黒いままで残る理由です。ちなみにこの目の黒さが「しらすの鮮度」を測るポイントになることもあります。目がはっきりしているものは鮮度が高いとされています。
「しらす丼」は地域によって味が違う!?全国の個性豊かな食べ方
しらす丼といえば、シンプルにご飯にしらすをたっぷり乗せ、醤油やポン酢、薬味をかけて食べるイメージがありますが、実は地域によってアレンジが異なります。
たとえば、神奈川県の湘南エリアでは「生しらす丼」が名物となっており、新鮮な生しらすがとろけるような食感で人気です。静岡県の駿河湾沿いでは、釜揚げしらすに温泉卵を添えて食べるスタイルが定番です。一方、和歌山県や淡路島などでは、しらすに加えて地元の野菜や梅干しなどを組み合わせた、よりヘルシーなしらす丼が楽しまれています。
しらす丼一つとっても、その地域の風土や食文化が反映されていて興味深いですね。
しらすは栄養満点!カルシウムやDHA、EPAも豊富
小さい体に秘められた栄養の力、それがしらすの魅力の一つです。しらすは、骨や内臓もそのまま食べられるため、カルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルを効率よく摂取できます。
さらに、青魚の一種であるため、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸も豊富に含まれています。これらは脳の働きを助けたり、血液をサラサラにする効果があると言われています。
成長期の子どもから高齢者まで、幅広い世代に嬉しい栄養素がぎゅっと詰まっているのが、しらすのすごいところです。
しらすの「釜揚げ」と「しらす干し」の違いとは?
しらすには加工法の違いによっていくつかの種類がありますが、特に有名なのが「釜揚げしらす」と「しらす干し」です。どちらも加熱処理はされていますが、違いは乾燥の度合いにあります。
釜揚げしらすは、茹でた後に軽く水気を切っただけの、ふわふわした柔らかい状態が特徴です。一方、しらす干しはさらに水分を飛ばし、やや硬めで歯ごたえのある食感になります。天日干しされたしらす干しは、保存性が高く、日持ちもしやすいため常備食としても人気があります。
どちらもそれぞれの魅力があるので、料理や気分に合わせて使い分けるのがオススメです。
実はしらすにも旬がある!美味しい時期を知っておこう
しらすにも旬があり、一年中水揚げされてはいるものの、最も美味しいとされる時期は春(3〜5月)と秋(9〜11月)です。この時期のしらすは身がぷっくりしていて、旨味や栄養も豊富です。
また、生しらすは特に鮮度が命のため、漁港近くの直売所や飲食店でしか味わえない貴重なグルメです。旬の時期には各地で「しらす祭り」などのイベントも行われることがあり、観光がてら楽しむこともできます。
季節の移ろいとともに味わいが変わるしらすの魅力も、ぜひ体験してみてください。
しらすは猫にも人気!?実は与えすぎ注意な一面も
しらすは塩分が少なく、魚好きの猫にとっても魅力的なごちそうです。とくに釜揚げしらすは柔らかく、小さな体の猫にも食べやすいと人気です。しかし、与えすぎには注意が必要です。
加工されたしらすには多少なりとも塩分が含まれており、猫の腎臓に負担をかけてしまう可能性があります。あくまで「おやつ程度」に与えるのが基本で、無塩タイプのしらすを選ぶことも大切です。
人間にとっては健康食でも、動物には量と質を考える必要があるという点も、しらすの雑学として知っておきたいポイントです。
まとめ
しらすはただの小さな魚ではなく、栄養価が高くて調理の幅も広い、非常に優秀な食材です。その背景には「しらす=稚魚」という意外な事実や、加工法・旬の違い、地域ごとの食文化など、さまざまな面白い要素が詰まっています。
普段何気なく食べているしらすにも、こんなにたくさんの雑学や豆知識があることを知ると、今までよりもっと味わい深く感じられるかもしれません。次回しらすを食べるときには、ぜひこの記事で得た知識を思い出してみてください。

