夏野菜の代表格として親しまれている茄子。煮ても焼いても漬けても美味しく、和洋中問わず幅広く使える便利な食材ですよね。しかし、そんな身近な野菜である茄子にも、意外と知られていない面白い雑学がたくさん詰まっています。今回は、茄子に関する面白い雑学を5つ以上にわけてご紹介します。読めばきっと、今日から茄子を見る目が変わるかもしれません。
茄子は果物？それとも野菜？
普段は野菜として扱われている茄子ですが、植物学的には「果実」に分類されます。これは、茄子が花のあとに実る「果実」であり、種子を含んでいるためです。トマトやピーマン、キュウリと同じように、果実的野菜とも呼ばれるグループに入っています。
しかし、料理や栄養学の分野では野菜として扱われることが一般的です。そのため、日常の食生活ではあまり意識することはありませんが、「茄子は果物でもある」と覚えておくと、ちょっとした話のネタになります。
茄子の色はなぜ紫なのか？
茄子といえば、ツヤツヤとした濃い紫色の皮が特徴です。この色の正体は「ナスニン」と呼ばれるポリフェノールの一種で、アントシアニン系色素の一つです。ナスニンは抗酸化作用が強く、老化防止や視力の改善、血流の促進などに効果があるとされています。
また、茄子の皮は実よりも栄養価が高いと言われており、なるべく皮ごと食べるのがおすすめです。紫色の美しさだけでなく、健康効果も期待できるのはうれしいポイントですね。
茄子は水分たっぷりでカロリーが驚くほど低い！
茄子はその約90％以上が水分でできています。そのため、100gあたりのカロリーはわずか18kcal前後と非常に低カロリーです。ダイエット中でも安心して食べられる食材であり、油と相性が良いため、適度に調理すれば満足感のあるメニューになります。
ただし、茄子は油をよく吸う性質があるため、油の使いすぎには注意が必要です。カロリーを抑えたい場合は、グリルや蒸し料理にするのが効果的です。
茄子に含まれる「クロロゲン酸」にも注目
茄子には「クロロゲン酸」というポリフェノールも含まれています。これはコーヒーにも含まれる成分で、強い抗酸化作用があることで知られています。クロロゲン酸は、生活習慣病の予防や脂肪の蓄積を抑える働きもあり、美容や健康に関心がある人にぴったりの成分です。
皮やヘタの近くに多く含まれているため、茄子を調理するときはできるだけ皮を残してカットすると良いでしょう。
「秋茄子は嫁に食わすな」の本当の意味
ことわざのひとつに「秋茄子は嫁に食わすな」というものがあります。この言葉、昔からさまざまな解釈がされています。ひとつは「美味しい秋茄子を嫁に食べさせたくないという姑の意地悪な気持ち」だという説。もうひとつは、「体を冷やす茄子を妊婦の可能性がある嫁に食べさせないようにする配慮」という説です。
どちらにしても、秋の茄子は味が濃くて美味しいということが前提になっています。旬の時期の茄子は、夏に比べて実が締まり、甘味も増すため、シンプルな焼き茄子にしても格別の味わいになります。
茄子はインドが原産で、世界中に広がった
茄子の原産地はインドや東南アジアだといわれています。インドでは紀元前から食用として栽培されており、その後、中国を経て日本に伝わってきました。日本には奈良時代にはすでに存在していたとされ、長い歴史の中でさまざまな品種が生まれました。
現在では世界中で親しまれており、イタリアの「カポナータ」やフランスの「ラタトゥイユ」、中国の「魚香茄子」など、各国の料理に欠かせない存在となっています。
地域ごとに個性豊かな茄子がある
日本国内だけでも茄子には非常に多くの品種があります。長茄子、小茄子、丸茄子、水茄子、白茄子など、見た目や味、用途が異なります。例えば大阪の「泉州水茄子」は、みずみずしくて生でも食べられるほど柔らかいことで有名です。
また、熊本の「赤茄子」や、京都の「賀茂なす」など、地域ブランドとして守られている品種も多く、それぞれの特性を生かした料理が楽しまれています。旅行先で地元の茄子を味わうのも、食の楽しみのひとつです。
茄子の種が多いと味が落ちるって本当？
よく「茄子の中に種が多いと美味しくない」と言われることがあります。これは、茄子が熟しすぎてしまうと種が発達し、実が硬くなってしまうからです。若くて新鮮な茄子は種が少なく、皮も柔らかいため、美味しく感じられるのです。
スーパーなどで茄子を選ぶときは、皮にハリとツヤがあり、軽く持ったときにしっかりと重みがあるものを選ぶと、ハズレが少なくなります。
茄子は冷やしても温めても美味しい万能食材
茄子の魅力は、なんといっても調理法の幅広さです。夏場には冷やし茄子、秋には焼き茄子、冬には鍋料理にもぴったり。和風だけでなく、洋風や中華風にアレンジしても美味しく、食卓に彩りを加えてくれます。
また、味が染みやすいため、煮物にも向いており、カレーや味噌汁の具としても重宝されます。茄子を冷凍して保存しておくと、必要なときにすぐ使えて便利です。
おわりに 茄子の魅力と雑学を知ってもっと楽しもう
茄子に関する面白い雑学をたっぷりご紹介しましたが、いかがでしたか？普段なにげなく食べている茄子にも、意外な一面や奥深い歴史、そして健康への効果がたくさん詰まっています。
これを機に、ただの脇役ではなく、主役級の野菜として茄子をもっと楽しんでみてください。品種や調理法を変えて、自分好みの茄子レシピを探すのも楽しいですよ。
