じゃがいもは、世界中で親しまれている食材の一つです。フライドポテトやマッシュポテト、コロッケなど、さまざまな料理に活用されています。しかし、じゃがいもには意外と知られていない歴史や特性が数多くあります。本記事では、じゃがいもにまつわる面白い雑学を紹介し、その魅力を深掘りしていきます。
じゃがいもの原産地は南米だった
じゃがいもの原産地は、南米のアンデス山脈です。現在のペルーやボリビアの地域では、約8000年前から栽培されていたと言われています。インカ帝国の時代には、じゃがいもは主食として広く食べられていました。16世紀になると、スペインの探検家によってヨーロッパに持ち込まれ、そこから世界中に広まっていきました。
宇宙でも育つじゃがいも
じゃがいもは地球だけでなく、宇宙でも育てられています。1995年、NASAと米国のウィスコンシン大学の研究者が、スペースシャトル「コロンビア」において宇宙でのじゃがいもの栽培実験を成功させました。この研究は、将来的な宇宙旅行や火星探査の際に、食料供給の可能性を探るために行われたものです。
フランスでは「貧しい人の食べ物」だった
現在では世界中で人気のあるじゃがいもですが、かつてフランスでは「貧しい人の食べ物」とされ、貴族たちには敬遠されていました。しかし、18世紀に薬剤師であり農学者でもあったアントワーヌ・オーギュスタン・パルマンティエが、じゃがいもの栄養価の高さを広めたことで、フランス国内でのじゃがいもの評価が一変しました。現在では、フレンチフライなどの料理を通じて、フランス料理にも欠かせない食材となっています。
じゃがいもが飢饉を救った歴史
じゃがいもは、歴史上の飢饉を救った食材としても知られています。特に有名なのは、18世紀のヨーロッパでの食糧危機です。穀物の生産が不安定だった当時、じゃがいもは痩せた土地でも育ちやすく、短期間で収穫できるため、多くの人々の命を救いました。
しかし、一方で19世紀のアイルランドでは、じゃがいもに依存しすぎたために「ジャガイモ飢饉」が発生しました。1840年代に発生した病気「ジャガイモ疫病」により、じゃがいもが大量に枯れ、多くの人々が飢えに苦しむこととなりました。
じゃがいもの種類は5000以上もある
世界には5000種類以上のじゃがいもが存在すると言われています。特に南米には、紫色や赤色をしたじゃがいもなど、珍しい品種が多く存在します。日本で一般的に食べられている品種には、「男爵いも」や「メークイン」があります。
● 男爵いも
ホクホクとした食感が特徴で、コロッケやポテトサラダに向いています。
● メークイン
しっとりとした食感で、煮崩れしにくいため、カレーやシチューに適しています。
じゃがいもの皮には栄養がたっぷり
じゃがいもの皮には、食物繊維やビタミンC、カリウムが豊富に含まれています。特にビタミンCは、加熱しても比較的残りやすいため、風邪予防や美容にも効果が期待できます。調理の際には、皮ごと食べることでより多くの栄養を摂取することができます。
まとめ
じゃがいもは、南米のアンデス山脈で誕生し、歴史の中で世界中に広まりました。宇宙でも育つ生命力の強さや、歴史的な飢饉を救った実績、さらには5000種類以上もの品種が存在するなど、数多くの興味深い特徴を持っています。普段何気なく食べているじゃがいもも、こうした雑学を知ることで、さらに美味しく感じられるかもしれません。ぜひ、次の食事の際にじゃがいもに注目してみてください。
