朝食に目玉焼き、お菓子作りには欠かせない卵焼き、お弁当にゆで卵。どんな食卓にも自然に登場する「卵」ですが、当たり前の存在であるがゆえに、その奥深さに目を向ける機会は少ないかもしれません。実はこの卵、知れば知るほど驚きの事実が詰まっているのです。今回は「卵に関する面白い雑学」をテーマに、料理や生活の中で役立つ知識をたっぷりご紹介します。読むときっと、卵を見る目が変わるはずです。
生まれてすぐの卵は洗ってはいけない?その理由とは
市販されている卵は清潔な状態でパックされていますが、実は卵は産まれた直後に「カットイクル」と呼ばれる天然の保護膜に包まれています。この膜は細菌の侵入を防ぐ働きを持っており、本来であれば洗わずにそのまま保存するのが自然な形なのです。
日本では衛生基準が厳しいため、販売前に洗浄・殺菌されてから出荷されますが、ヨーロッパなどでは保護膜を残すために洗浄せずに販売されることもあります。国や地域によって卵の取り扱い方が異なるのは興味深いポイントです。
白い卵と茶色い卵の違いは?栄養価に差はあるのか
スーパーでよく見かける白い卵と茶色い卵。「見た目が違うけど、栄養価にも違いがあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、基本的には中身に大きな差はありません。
この色の違いは、産んだ鶏の品種によるもので、白い羽の鶏が白い卵を産み、赤茶色の羽の鶏が茶色い卵を産むという違いがあります。わずかに茶色い卵の方がコクがあると感じる人もいますが、これは飼料の違いによるものが大きいのです。
卵は上下どちらを上にして保存すべき?保存方法のヒント
卵の保存方法には「尖っている方を下にする」というルールがあります。なぜかというと、卵の丸い側には「気室」と呼ばれる空間があり、そこに空気が溜まっています。この気室を上にして保存することで、中の黄身が安定し、鮮度が長持ちするのです。
また、卵の殻には目に見えない無数の小さな穴が開いており、においを吸収しやすいため、冷蔵庫の中でも密閉容器に入れて保存するのが理想的です。
ゆで卵の殻がむきやすくなる裏技とは
ゆで卵を作ったときに、殻がうまくむけずイライラした経験はありませんか?実はちょっとしたコツで、スルッと気持ちよく殻をむくことができるのです。
まず、新鮮すぎる卵は殻がむきにくいため、数日経った卵の方が適しています。また、茹でる前に卵の尖った方に軽くヒビを入れたり、ゆでた後すぐに冷水に取ることで、薄皮と卵白の間に水が入り、むきやすくなります。覚えておくと便利な小技です。
卵の賞味期限は意外と長い?火を通せばもっと安心
卵のパックには賞味期限が記載されていますが、実はこれは「生で食べられる期限」を示しています。加熱調理を前提とすれば、賞味期限を数日過ぎていても問題ない場合が多いのです。
冷蔵保存をしっかりしていれば、賞味期限後1週間程度は加熱用として使えるとされています。とはいえ、殻にヒビが入っていたり、においに違和感を感じたら使用は避けましょう。卵は特に食中毒の原因にもなりやすいため、自己判断での利用には注意が必要です。
黄身が二つ入っている卵は幸運のしるし?その仕組みとは
卵を割ったときに、黄身がふたつ出てきたことはありませんか?これは「二黄卵(におうらん)」と呼ばれ、産卵を始めたばかりの若い鶏に多く見られる現象です。
一度に二つの卵黄が排卵され、それが一つの殻に収まった結果、二黄卵となります。確率的には非常に低いため、「ラッキーエッグ」と呼ばれて縁起がいいとされることもあります。
卵のサイズはなぜこんなに違うのか?サイズの基準と意味
卵にはS・M・Lなどのサイズ表記がありますが、これは1個あたりの重さで分類されています。Mサイズが一般的な家庭用に多く流通しており、お菓子作りのレシピなどでも基準とされることが多いです。
一方で、同じサイズでも黄身の大きさにはそれほど差がなく、白身の量によってサイズが変わることが多いのです。レシピで厳密に計量する必要がある場合は、重さを計って使用するのが安心です。
「温泉卵」と「半熟卵」はどう違う?絶妙な加減のヒミツ
とろりとした黄身が魅力の温泉卵と半熟卵。どちらも似たような食感に思えますが、実は加熱方法に違いがあります。
温泉卵は、約68〜70度のお湯に30分程度つけて低温でじっくり火を入れることで、白身はやわらかく、黄身はとろっとした状態に仕上がります。一方で半熟卵は、高温で短時間(約6〜7分)茹でることで、黄身の中心がやや固まりかけの状態になります。それぞれの特徴を知って、料理に合わせて使い分けるのも楽しいですね。
まとめ 卵は身近なのに驚きがいっぱいの食材だった
卵に関する面白い雑学をたっぷりとご紹介しました。毎日のように使う卵には、こんなにも多くの知識と工夫が詰まっているのです。ちょっとした保存法や調理のコツを知るだけで、料理の質がぐっと上がるかもしれません。
食材としても栄養豊富で、使い勝手も抜群な卵。今後は少しだけ目線を変えて、卵と付き合ってみてはいかがでしょうか。