日本の家庭料理でもおなじみの野菜「ししとう」。天ぷらや炒め物、焼き野菜などで登場することが多く、独特の苦みとほんのりとした甘さが特徴です。しかし、たまに「すごく辛いししとう」に当たってしまい、驚いた経験がある人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんなちょっと不思議な存在である「ししとう」にまつわる面白い雑学をたっぷりとご紹介します。知っておくと料理の時間がもっと楽しくなる情報が満載です。
「ししとう」は唐辛子の仲間って知っていましたか?
ししとうは「ししとうがらし」とも呼ばれ、名前からもわかるように、実は唐辛子の仲間です。ナス科トウガラシ属に分類され、ピーマンやパプリカとも近い親戚にあたります。
ただし、通常の唐辛子のような辛さは持っておらず、ほとんどのししとうは辛くないのが特徴です。加熱するとほんのり甘味が増し、柔らかくなって食べやすくなるため、日本では家庭でもよく使われる野菜のひとつです。
なぜたまに「激辛ししとう」に当たってしまうのか?
「辛くない」と言われているししとうですが、なかには唐辛子並みに辛いものに当たることもあります。これは一体なぜなのでしょうか?
実は、ししとうは成長の過程や環境の影響で、辛み成分である「カプサイシン」が増えてしまうことがあります。特に以下のような状況で辛くなりやすいといわれています。
- 気温が高すぎる
- 日照時間が長い
- 水分が不足している
- 成熟しすぎている
こうしたストレスを受けると、植物は自己防衛本能から辛み成分を生成しやすくなるのです。辛いししとうに当たる確率は全体の1割程度とも言われており、ロシアンルーレット的な楽しさ(?)もある野菜といえます。
「ししとう」という名前の由来がユニーク
「ししとう」という名前は、「獅子唐辛子(ししとうがらし)」が略されたもので、語源はその形にあります。ししとうの実の先端がまるで「獅子の鼻」のように見えることから、このような名前がついたのです。
実際によく観察してみると、先がやや丸まっていて、確かに動物の鼻のようにも見えます。ししとうは見た目でも楽しめる野菜というわけです。
ししとうには栄養もたっぷり含まれている
小さな見た目に反して、ししとうは栄養価の高い野菜です。特に以下のような成分が豊富に含まれています。
- ビタミンC:免疫力アップや美肌効果に期待
- カロテン:抗酸化作用で老化防止に
- 食物繊維:腸内環境の改善に役立つ
また、カロリーも非常に低く、ダイエット中の方にもおすすめの食材です。加熱してもビタミンCが壊れにくいのも嬉しいポイントで、天ぷらや炒め物にしても栄養をしっかり摂取できます。
辛いししとうを見分ける方法はある?
辛いししとうを避けたいという方のために、辛くなる確率が高いものを見分けるちょっとしたコツをご紹介します。
- 小ぶりでしわが寄っているものは辛い可能性あり
- 色が濃く、先が細く尖っているものは辛いかも
- 傷があったり、触ると硬いものは要注意
とはいえ、これらの方法も完全に辛いものを見分けられるわけではありません。食べてみるまでわからないという点が、ししとうの面白さでもあります。
海外では意外と知られていない「ししとう」
ししとうは日本ではとてもポピュラーな野菜ですが、実は海外ではあまり見かけません。欧米では「Shishito pepper」という名前で知られ、アジア系スーパーや一部のレストランで扱われる程度です。
近年では「日本の野菜」として健康志向の人々の間で注目されつつあり、特にベジタリアンやビーガン料理で使われることも増えています。海外でも天ぷらや焼きししとうなど、日本式の調理法が人気です。
ししとうの美味しい食べ方と調理のコツ
ししとうは様々な調理法に適していますが、特におすすめの食べ方は以下の通りです。
- 焼きししとう:シンプルにグリルで焼くだけ。塩をふっていただきます。
- 天ぷら:衣をつけてカリッと揚げれば、食感も楽しめます。
- 炒め物:ちりめんじゃこや味噌と炒めるとご飯が進む味に。
- 煮びたし:和風だしで煮て、冷やして食べるのも美味。
調理前には「爪楊枝などで穴を開けておく」ことがポイントです。こうすることで加熱中に破裂するのを防ぎ、見た目もきれいに仕上がります。
ししとうは家庭菜園にも向いている
ししとうは家庭でも育てやすい野菜として人気があります。プランターでも栽培でき、日当たりのよい場所で水やりをしっかりすれば、初心者でも比較的簡単に収穫できます。
害虫にも比較的強く、収穫までの期間も短いため、ガーデニングや家庭菜園に挑戦してみたい方にはぴったりです。自分で育てたししとうを食べると、また違った美味しさを感じられることでしょう。
まとめ
ししとうに関する面白い雑学をご紹介しましたが、いかがでしたか?普段何気なく口にしている野菜にも、意外な歴史や栄養、そしてちょっとしたミステリーが隠されていることがわかります。
「なぜ辛くなるのか」「名前の由来」「海外での人気」など、知れば知るほどししとうが魅力的な存在に思えてきます。次回、食卓にししとうが並んだときには、この記事で得た豆知識を家族や友人に披露してみてはいかがでしょうか。