災害が発生すると、食料の確保が困難になることがあります。停電や断水が続くと調理が難しくなり、普段食べている食品が食べられなくなることも。そこで重要なのが「保存食」の準備です。
今回は、栄養士の視点からおすすめの保存食や選び方のポイントを紹介します。
保存食を選ぶポイント

①長期保存が可能か
最低でも3日分、できれば1週間分の食料を確保するのが理想です。賞味期限が3~5年以上のものを中心に選ぶと管理が楽になります。
②栄養バランスが取れているか
炭水化物(エネルギー源)、たんぱく質(筋肉維持)、ビタミン・ミネラル(健康維持)がバランスよく含まれているかをチェックしましょう。
③簡単に食べられるか
水や火が使えない状況を想定し、そのまま食べられるものや、少量の水で戻せる食品を選びましょう。
④アレルギー対応・個人の好みに合うか
家族にアレルギーのある人がいる場合は、アレルゲンを含まない食品を選びましょう。また、食べ慣れたものを備えることで、非常時のストレスを軽減できます。
おすすめの保存食
①アルファ化米(フリーズドライご飯)
【特徴】
・賞味期限:約5年
・お湯や水を注ぐだけでご飯が食べられる
・白米、五目ごはん、ピラフなど種類が豊富
【おすすめポイント】
炭水化物がしっかり摂れ、腹持ちもよい。お湯が使えない時でも水で戻せるため、災害時に最適。

②レトルト食品(カレー・おかゆ・スープなど)
【特徴】
・賞味期限:約3~5年(非常用のもの)
・そのままでも食べられる
・食べ慣れた味が多く、ストレス軽減につながる
【おすすめポイント】
カレーやシチューはご飯にかけるだけで食事が完成。おかゆやスープは、体調が悪いときにも食べやすい。
③缶詰(肉・魚・果物など)
【特徴】
・賞味期限:約3~5年
・開けるだけで食べられる
・たんぱく質やビタミンが補給できる
【おすすめポイント】
ツナ缶やサバ缶はたんぱく質と良質な脂質が摂れるのでおすすめ。フルーツ缶はデザートとして気分転換にもなる。
④栄養補助食品(カロリーメイト・プロテインバーなど)
【特徴】
・賞味期限:約1~2年(商品による)
・コンパクトで持ち運びしやすい
・栄養バランスが整っている
【おすすめポイント】
手軽にエネルギーや栄養素を摂取できるため、非常時の栄養補給に便利。特にプロテインバーはたんぱく質補給にもなるのでおすすめ。
⑤乾パン・ビスケット類
【特徴】
・賞味期限:約5年
・シンプルな味で食べやすい
・小腹がすいたときのおやつにもなる
【おすすめポイント】
乾パンは水分が少ないため、食べるときは水分補給も忘れずに。最近は食べやすいアレンジ商品(チョコ味やフルーツ入り)も増えている。
あると便利な食品・アイテム
●水
保存食と一緒に、1人1日3Lの水を備蓄するのが理想。飲料用だけでなく、調理や衛生面でも必要になる。
●飴・チョコレート
糖分補給ができ、疲れたときのエネルギー源にも。甘いものはストレス軽減にも役立つ。
●インスタント味噌汁・スープ
お湯を注ぐだけで温かい汁ものが飲めるので、リラックス効果が期待できる。
まとめ
災害時に備えた保存食は、長期保存できること、栄養バランスが取れていること、調理が簡単なことが重要です。
また、定期的に賞味期限をチェックし、普段から食べ慣れておくことも大切。ローリングストック(古いものを消費し、新しいものを補充する方法)を活用すれば、無駄なく備蓄できます。
いざという時のために、家族構成やライフスタイルに合った保存食を選び、万全の備えをしておきましょう!