子ども向けのお菓子として人気の「知育菓子」。作る過程を楽しみながら、形や色を工夫したり、食べる喜びを味わったりできるのが魅力です。しかし、実際に「知育」としての効果はどの程度あるのでしょうか？栄養士の視点から考察してみます。
知育菓子とは？その目的を整理
知育菓子は、「作ること」を楽しむことを目的としたお菓子の総称です。例えば、以下のような特徴があります。
・手を使って組み立てる (粘土のように形を作るもの、組み立てて完成させるもの)
・色や味を組み合わせる (ジュースを混ぜると違う色や味に変化するもの)
・科学的な要素がある (水と粉を混ぜると膨らむ、ゼリー状になるなどの変化)
これらの要素は、子どもの創造力・手先の器用さ・科学的好奇心を育てるのに役立つと考えられています。
知育としてのメリットは？
①手先の発達を促す
細かい作業が必要な知育菓子は、指先を動かす練習になります。これは、脳の発達にも良い影響を与えると言われています。特に、小さな道具を使ったり、形を整えたりする工程は、幼児期の指先の器用さを養うのに役立ちます。
②創造力や発想力を伸ばす
「どうやったらうまく作れるか？」を考えながら試行錯誤することで、創造力や発想力が刺激されます。特に、デコレーションを工夫するタイプの知育菓子では、個性を発揮できる楽しさがあります。
③科学の基本を学べる
水と粉を混ぜると固まる、炭酸が発砲する、色が変わるなど、知育菓子には化学反応を体験できる要素が含まれていることが多いです。これをきっかけに「なぜこうなるの？」と考えることで、科学的な興味を持つきっかけになります。
栄養素目線での懸念点は？
知育菓子には知育としてのメリットがある一方で、栄養面では注意が必要な点もあります。
①栄養バランスが偏りやすい
知育菓子は基本的にお菓子なので、糖分が多め。ビタミンやミネラル、たんぱく質などの栄養素はほとんど含まれていません。毎日の習慣にするのではなく。「特別な遊び」として楽しむのが理想的です。
②添加物が多いものもある
知育菓子にはカラフルな色や独特の食感を楽しめるものが多いため、人工甘味料や着色料、保存料が含まれていることがあります。これが気になる場合は、原材料表示をチェックし、できるだけシンプルな成分のものを選ぶと安心です。
③料理の代わりにはならない
「食べ物を作る」という体験にはなりますが、知育菓子は料理とは違うという点も押さえておきたいポイント。実際の調理体験とは異なり、食材を切る・加熱する・味付けするなどのスキルは身につかないため、あくまで「お菓子作り」として楽しむのが良いでしょう。
知育菓子をより「知育」につなげる工夫
栄養面での懸念はあるものの、知育菓子を上手に活用すれば、楽しく学べる時間を作ることができます。以下のような工夫を取り入れると、より知育効果を高められます。
①親子で一緒に作る
「なぜこうなるのか？」を会話しながら進めることで、科学的な興味を引き出すことができます。
②仕上げにフルーツやナッツをプラスする
たとえば、ゼリー系の知育菓子にはカットしたフルーツを加えるなど、栄養価を少しでもアップさせる工夫をすると良いでしょう。
③料理の導入として使う
「これができたら、本物の〇〇も作ってみよう！」とつなげると、実際の料理にも興味を持つきっかけになります。
まとめ：知育菓子は「遊び」として楽しむのがベスト！
知育菓子には、手先の発達・創造力の向上・科学的な興味を引き出すなどのメリットがあります。一方で、栄養バランスや添加物の点では注意が必要です。
栄養士としての結論は「知育菓子はあくまで特別なお楽しみ」として、親子で楽しく活用するのがベスト！ということ。うまく取り入れれば、子どもの成長をサポートする楽しい時間を作ることができます。
